Listening:<地球ING・進行形の現場から>原発輸出 仏エコノミスト、バンジャマン・ドゥシュ氏に聞く – 毎日新聞
フランスの輸出する原発は軽水炉です。生成されるプルトニウムは原子炉級プルトニウムです。原子炉級プルトニウムで作る核爆弾は必要な技術力が高い割には核出力が低く信頼性も低くなります。
そもそも盗まなければプルトニウムを調達できない集団や国家に、原子炉級プルトニウムで核爆弾が作れる技術を持った人材や製造設備が用意できるのでしょうか?
仮に非核保有国が核武装を目指すならば、原子炉級プルトニウムで核武装をするよりも、高濃縮ウランを使った爆縮型の核爆弾を目指したほうがハードルは低いと考えます。さらに高濃縮ウランを用いた爆縮型核爆弾の方が、プルトニウム(兵器級・原子炉級双方)を用いたよりも長期の保管が出来ます。
核不拡散を目的にするならば、ウラン濃縮施設を作らせないほうが有効なのです。大間原発で採用しているフルMOXの原子炉はウラン濃縮が必要なく、原発を新たに建設する国にウラン濃縮施設を作る口実を与えません。我が国はMOX燃料を大量に備蓄しており、量からすれば輸出が可能です。政治的な課題が解決すれば、フルMOXの原発とMOX燃料の輸出により核不拡散に貢献できます。